COLUMN0047

プロレスときどきサッカー。素人の思ったことつれづれ。

ドミニオンの感想をもう一つ。

先日、個人的なベストバウトは、ケニー・オメガとKUSHIDAのIWGP jr.タイトルマッチと書いたけれど、これはBOSJを生観戦して以来のKUSHIDAに対する思い入れが急激に上昇中だった補正が入っているところもあって、それを度外視すれば、メインイベントのAJvs.オカダが、クオリティとか驚きとか迫力とか全般において、ベストバウトに値する戦いだったのではないでしょうか。

久々にIWGPを手にしたオカダは強くなっていることを周りに示せたわけだし、これから更なる攻勢をかけていく新日にとってもよかったと思うのですが、同時に、AJスタイルズの強さを再確認した試合でもあったと思います。(個人的には、AJの底力のほうが印象に残ったかもしれない。)

AJの特徴を少し掘り下げてみますと、

1.身長差をまったく感じさせない
ニコプロでの試合レビューで鈴木健さんもおっしゃっていたのですが、オカダの191cmに対して、AJは180cm。この身長差は真壁と石井ちゃんの差と同じです。石井選手も身長を言い訳に(武器にも)しないファイトスタイルですが、AJの場合は、不思議と身長が低く見えない、という感じで、そもそもそんなに差があったの?と驚きます。おそらくは、姿勢とか所作がそう見せているんだと思いますが、ほんとはここまで差があればエルボーの打ち合いなどでも差が出そうな感じしますが、まったく違和感なくやっています。橋選手も同じような傾向があると思うのですが、それを特にAJからは感じます。

2.普通の技がとてもうまい
エルボーやヘッドロック、腕の取り方、サブミッション全般やレスリング技術、どれをとっても力強く的確に見えるというか、説得力があります。序盤の攻防でも基本技は大事ですし、序盤でコレジャナイ感を感じてしまうと、感情移入がしにくくなってしまいますし、試合の流れの中でコツコツと効いてきて終盤には大きな差になってきます。そこのところの大事さをAJは理解しているし、うまく使っていると思います。また、派手な技もできるけれど、基本の技の完成度が高いってところは、素人にも玄人にもうける、ということにつながっていくのだと思っております。

3.普通の技を普通にやらない
実況解説でも指摘があったのですが、バックブリーカーやフェイスロックのように古めの技で有りながら、AJがやるとアレンジもあるしオリジナルに見えるというか、いちいちおしゃれにみえます。そういう意味ではオカダの代名詞であるドロップキックも基本中の基本の技でありながらとても印象的な技になっていますが、7.5で見せたAJのドロップキックも打点が高かったし見事といわざる得ないものでした。鈴木健さんは、今日に限っていえばオカダよりよかった、とおっしゃってました。フェノメノンDDTとかまあもはや普通のDDTや、コーナーからではなくスワンダイブでやるダイビングエルボーなど、もはや普通の技ではないのですが、よくよく考えると基本(DDTは基本じゃないと個人的には思うけれど)技、みたいなこと多々あるように思います。これも、ただやる、選手と比べるとスペシャルに映る点なのではないでしょうか。

4.しかしながら、技が多すぎる、とも思わせない
AJはフィニッシュホールドにしてもおかしくない技を多数持っているので、ともすれば試合がバタバタしそうですが、そうならないのは、大技ではあっても基本技、もしくはそののアレンジであるのと、組み立てが良いのと、あれだけある技の中でスタイルズクラッシュという特別なフィニッシュホールドを持っているので、説得力を産みやすいんだと思います。また、BULLET CLUBの創設者プリンス・ディビットのブラッディサンデーは別にして、オリジナリティを感じる技を要所に持ってきているのも好印象なのだと思います。

今の新日本プロレスのトレンドは、基本に忠実なんだけど、アレンジを入れていくスタイルなので、AJはそれにうまくフィットしているのだと思います。そういう器用さもワールドワイドでやれる選手の特徴なのではないでしょうか。

5.BULLET CLUBのAJスタイルズ
この試合でも、前半ヒールらしい介入という形で顔を出したBULLET CLUBの面々。セコンドの介入という点がAJにとってプラスかどうかはよく分からんところありますし、ピンでも十分商品価値はあると思うのですが、敢えAJがBULLET CLUBでやる意義ってなんだろうか、と思ったものの、立ち位置が分かりやすくなる(新規外国人レスラー=BULLET CLUBのような)から、発言もしやすくなるってことくらいしら。そういう意味ではAJはBULLET CLUBのチャンネルをうまいこと使えたのかなと思います。発信力も大切ですし。まあ、やっぱりクレバーなのでしょうね。

と、まあ「これは、俺、薄々気づいてたけど、AJのこと好きだな。」という内容になってしまいましたが、負けて尚AJの価値は下がってないわけですし、誰も損してないしすげえなってことなのですが、なにしろG1もまた楽しめそうなので、一ファンとしては嬉しい限りでございます。