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プロレスときどきサッカー。素人の思ったことつれづれ。

G1 CLIMAX 28 決勝戦

暑く熱かったG1 CLIMAX 28

毎年のことではあるけれど、今年もG1は熱かった。

8月12日、日本武道館3連戦最終日でその過酷な日程を終えましたが、猛暑の今年は一層熱さが目立つ大会だったかもしれません。

実力があっても勝ち越すことさえ難しい昨今のG1、私の大好きなマイケル・エルガン選手は名勝負を連発するも3勝6敗の負け越し。キャッチフレーズの『BE A SURVIVOR』のごとく並大抵では生き残れない厳しい闘いでした。

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YOSHI-HASHI選手の攻撃をかわすマイケル・エルガン

そんな苛烈なリーグ戦から優勝決定戦に駒を進めたのは、棚橋弘至と飯伏幸太の両選手。お互い厳しいリーグ戦を勝ち抜いて武道館最終日のメインイベントに立った彼らの闘いは生き残るにふさわしい壮絶で素晴らしいものでした。

棚橋弘至

ここ近年の棚橋選手はかつてIWGPのV11を達成していた当時に比べ故障箇所も増え欠場も目立つようになっていました。長年トップ戦線で活躍した流石の棚橋でも、長年のダメージが蓄積した現在の身体では、激戦必至のG1リーグ戦を勝ち残るのは正直難しいのではないか。気張った予想をしていたわけではありませんが、棚橋ファンの私でも厳しい闘いを覚悟していました。

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7月21日の後楽園で見た棚橋弘至選手(元気そう)

しかし蓋を開けてみれば、終始目立ったのは棚橋選手のコンディションの良さ。それに呼応するように白星が先行し、ジェイ・ホワイト選手には不覚をとったものの、リーグ戦中盤からは首位をキープします。

ただ「これはもしや」という期待は高まっていたものの、最終戦の相手は優勝の最右翼オカダ・カズチカ。過度な期待は棚橋にとってだけではなく、自分にとっても酷なのだ。と、自らの期待を敢えてセーブするような複雑な胸中でもありました。

そんな思いで見守った武道館1日目メインイベントでしたが、両者一進一退の攻防の末に30分の時間切れドロー。棚橋選手は優勝決定戦進出を決めます。棚橋選手の功績を尊重するからこそ遠慮がちだった我々観客の期待を上回る活躍をもっての勝ち残りに武道館のお客さんも大いに盛り上がったのでした。そして、同時にこうも思います。決勝進出というカタルシスを与えてくれた棚橋に更なる期待を掛けても良いものだろうか?

飯伏幸太

その一方Bブロックを勝ち上がってきた飯伏幸太選手は現IWGPチャンピオン ケニー・オメガ選手とのタッグを復活させた1.28札幌大会を境に注目度も増し勢いをつけています。それに加えてコンディション調整が順調なことをうかがわせる肉体の仕上がりは圧巻で、目の当たりにした多くのファンから「今年こそは」と期待を集めていました。ケニーとのタッグ復活が只の話題作りで終わらないためにも、このタイミングで結果が欲しい。飯伏にとってこのG1が本当の意味で新日本のメインストリームに上がれるかどうかの試金石だ。そんな強い思いを本人だけでなくファンも抱いていたのではないでしょうか。

飯伏幸太選手に対する思い入れは人によって濃淡があるとおもうのですが、飯伏というレスラーに感じる圧倒的な「華」は誰にでも伝わる大きな魅力で、さらに狂気のエッセンスも含んだ自由闊達なそのプロレス観は見ているものを喜ばせてくれます。それに加えて(それが一番の魅力かもしれない)そこはかとなく感じる刹那性やはかなさのようなもの

そんな強い意志で臨んだG1の決定戦進出を決めるまでの闘いは、大会全体を通じて見ても飯伏幸太は物語の主役になっていたと個人的には感じています。ただ、Bブロック最終戦ケニー・オメガとの一戦で一旦のピークを迎えたストーリーはG1 CLIMAX「決勝戦」という舞台でどんな文脈で語られるのか?こればかりは蓋を開けてみないことにはなんともいえないとおもったことも確かです。

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矢野徹戦の飯伏幸太選手(ぐるぐる巻きにされる前)

棚橋は本当にこれ以上の負荷に耐えうるのか?あるいは、G1決勝という舞台でも飯伏の物語はまだ続くのか?そんなもやもやしたテーマを抱えながらゴングの時間を待つのでした。

セコンド

試合そのものを語る前に、それぞれのセコンドも重要なポイントとして触れないわけにはいかない。飯伏のセコンドには当然ケニーの姿。そして棚橋のセコンドとしてリングインの際にロープをあげたのは、ケガで休場中の柴田勝頼選手の姿でした。ロープをあげる柴田の顔がビジョンに大写しになった瞬間、会場から歓声が上がります。飯伏とケニーの物語の最終章として用意されたようにも見えたこの決勝戦は、柴田勝頼という新たなキャストを加えたことで全く違う文脈としても読み取れることに観客は気づかされたのです。棚橋と柴田のストーリーはプロモーションビデオで用意されたものではなかったかもしれたせんが、二人が歩んだキャリアが何より雄弁に語っています。そして、その興奮が冷めやらない中、試合開始のゴングは鳴ります。

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決勝戦入場シーン

試合

開始数分は新日本のビッグマッチによく見られるじっくりとしたレスリングの攻防が続きました。技術的なことは僕にはよくわからないし、少なくとも飯伏幸太は互角以上に対応しているように見えましたが、棚橋から感じる厚みと圧力が飯伏幸太を圧倒しているようにも感じました。後から考えると、これは棚橋と柴田の関係性を強調されたがゆえの妄想も多分に含まれているように感じます。

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序盤のレスリングは互角

その後徐々に試合はペースアップしていき飯伏幸太の真骨頂ともいえる華麗で刺激的な大技が次々に決まりはじめます。しかし棚橋は自分の世界観を変えることはなく、派手さはないかもしれませんが、長年磨いてきた自分の技で飯伏に対抗していきます。

印象的だったのは、人でなしドライバーを決めた直後の飯伏幸太が、さらなる攻撃を加えようとしていた際に棚橋が放ったドラゴンスクリューを放ったシーン。

ドラゴンスクリュー2発でここまで会場がヒートアップするものかと少し驚いたのですが、僕自身思わず声が出るほどに完璧なタイミングとキレで説得力がありました。大技に対抗するためには必ずしも大技に頼る必要はなく、高度に計算された完成度の高い技であれば十分な武器になりうるという見立てを自然とこの日の観衆に示した象徴的な瞬間でした。

その後の張り手合戦を挟んで、「飯伏の大技が棚橋を飲み込むか」「ベーシックなレスリングで切り返しながら棚橋が受けきるか」という大きな流れが完全に出来上がります。そしてその振幅と周期をダイナミックに変化させながら試合は進んでいきますが、カミゴェをめぐる二度目の攻防の中、棚橋ドラゴンスープレックスを放つと一気に勝負にでます。

そして、渾身のハイフライフロー3連発からのエビ固めでカウント3。35分0秒。棚橋弘至選手がG1 CLIMAX 28優勝者となった瞬間でした。

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優勝セレモニー

棚橋弘至と飯伏幸太の物語

棚橋弘至は僕たちの期待の上にいて、プロレスの内容でそれを表現する存在であり続けています。これからも棚橋選手に期待をするときはなんらかの遠慮(「棚!本当に大丈夫なのか⁈」)はあるとおもうのだけれど、きっとそれ以上のパフォーマンスを見せてくれるだろうし、いつも少しだけ心配しながら応援を続けているとおもいます。

そして、飯伏幸太選手にとっては悔しく残念な結果だったかもしれないけれど、後に振り返り見たときのターニングポイントとなり得る大会でした。勿論そのためには今後の更なる飛躍が前提になりますが、今の飯伏の実力とコンディションであれば必ずこれ以上の結果をしんじてもいいのではないでしょうか。ケニーと飯伏の関係性はこれからも続くし、またいつか対角線に立つ可能性はあるとおもうのですな、この物語がG1で展開されシェアされたことで、新たに棚橋、そして柴田を加えたもう一回り大きな骨太のストーリーを夢見られることを素直に喜びたいとおもいます。閉じた関係性がオープンになったことで独特の繊細さや無垢さのようなものは失われてしまうかもしれないのですが、それも含めて新たな展開を楽しみとポジティブに捉えていこうとおもっております。

柴田選手の「新日本プロレスを見せろ!」という言葉の取り方にもよると思うのですが、棚橋、柴田、ケニー、飯伏の物語はオールド・スクールと現代プロレス、ストロングスタイルとエクストリームという対立軸だけではなく、本当の意味での#大家帝国の最終章のような形にもなりえるな。なんて思いも一瞬よぎりましたが、それはまた別の話。

とにもかくにも、選手、スタッフの皆さん、そして一緒に盛り上がったファンの皆さんに感謝しつつ、まだまだ続いていくストーリーを楽しんでいきたいと思います!

次の生観戦はアイスリボンの横浜文化体育館大会。こちらも楽しみだー。

本日の視聴

今日は昼からDDT UNIVERSEでビアガーデンプロレスのBASARA DAYを視聴開始。 メインのDOVE世界ヘビー級選手権試合 谷嵜なおき vs 阿部史典 は見応えのある一戦でした。 やはり阿部史典選手にはやはり惹きつけられますなー。谷嵜選手が防衛となりましたが、一進一退の白熱した展開でした。

見終わって15時からは新日本プロレスワールドでG1の大阪大会。 こちらの見どころは何といっても Aブロック公式戦 棚橋弘至 vs マイケル・エルガン  エルガンの試合は試合の中盤から終盤に書けて観客が徐々に徐々に結果最後大歓声までいくあの感じが素晴らしいのだけれど、今日もまさしくそんな試合でした。棚橋選手はこれで単独トップをキープ。Aブロック公式戦はあと武道館を残すのみですが、棚橋、オカダ、ジェイ・ホワイトの三つ巴ですね。 個人的には棚橋選手を決勝で見たいところです。

そして最後の生中継はもう一回UNIVERSEに戻ってDDTのビアガーデン大会。 今林さんが大仁田厚ばりのマイクをキメてWild Thingが流れたりと、ほんと笑わせて頂きました。

おうちにいてもリアルタイムで色んなプロレスが見られる素敵な時代になってんな。と思いを新たにすると共に、やはり一番は現地観戦だよなというあたりまえの事実も感じたのでした。

来週はG1決勝戦。こちらは現地観戦予定だから思う存分楽しんでこようと思っております。

『オレたちと10周年と東京ポッド許可局』に行ってきました

TBSラジオ月曜24時放送の『東京ポッド許可局』を聴き始めてからちょうど1年くらいになるけれど、飽きっぽい私が1年間夢中で聴き続けていて、いよいよもって大好きな番組になっている。

屁理屈をエンタテインメントに!!を合い言葉にマキタスポーツ、プチ鹿島、サンキュータツオの3人がとりとめのないおしゃべりを繰り広げる番組なのだけれどこれがめっぽう面白く、コンテンツの消費スピードが速くなっている昨今において10年も続いているのだから尊敬の念しかない。

そんな許可局が都内で10周年イベントを開催すると聞きつけ、なんとか激しいチケット争奪戦を制した私は、4.14東京メルパルクホール・10周年イベント『オレたちと10周年と東京ポッド許可局』を観覧できることとなった。

ラジオのノリとほぼ同じ3人の軽妙且ついい加減なトークに舌を巻きつつ夢中で楽しむことができた3時間であった。マキタ、鹿島、タツオ氏それぞれが別の二人に語られるコーナーや、10年間分の放送中に語られた「論」のうち最も人気のあるものを投票により決定する、第1回論総選挙。等々、企画も充実していてあっという間のひとときでありました。

これはまたイベントがあれば是非参加しなければと思いを新たにしたのと、ポッドキャスト時代のアーカイブ販売していたので次こそは入手したいと心に誓ったのでした。